インフルエンザワクチンそのものが発作を誘発するということは、まずありません。 ただし、ワクチン接種後にきたした「熱のために」、発作の誘発されることが、たまにあるようです。
したがって、ワクチンそのものは心配ないけれど、ワクチン後に熱が37.5℃以上になったときには、手持ちの発作予防の座薬を使った方がよいと考えます。ワクチン後の発熱に対して、風邪の熱と同じように、発作予防策をとるということです。
なお、インフルエンザワクチン接種後の発熱は、まれです。
たいていは、皮膚の、接種したところが、赤くなるだけです。
抗体ができるのは、インフルエンザワクチン接種後、2週間位たってからです。その後、その効果が4ヶ月~半年のあいだ続きます。
予防接種についてのガイドラインでは、次のように記載されています。
1)最後の発作から2、3ヶ月経過して、体調が落ち着いていれば、予防接種を受けてよい。
2)主治医が発作状況をよく把握し、体調が落ち着いて接種可能と認めた場合には、(2、3ヶ月たっていなくても)、接種してよい。
*2)についてですが、私は、「予防接種による微熱よりも、本物のインフルエンザによる高熱のほうが、はるかに発作をおこしやすい」と思っています。
文字通り2、3ヶ月待っていると、その間に、本物のインフルエンザにかかる可能性があり、よくないと思っています。したがって、当院の、ほとんどすべての患者さんに「体調のよい日に個別接種で受けてください」とお話しております。
治療を開始したばかりの方や、最近発作の多い方は、接種の可否について、主治医の先生にご相談ください。