てんかん発作の症状で最も多いのは、いわゆる“ひきつけ”、すなわち、けいれん発作です。てんかんの患者さん100人のうち80人はけいれん症状を示します。
てんかんの発作で、最も多いのは、全身けいれん発作です。大人でも子供でもみられます。
発作の前に、前兆として、気分不良、不安などをきたすことがあります。
その後、突然、意識がなくなり、全身を固くつっぱったようなけいれん(強直性けいれん)で発作が始まり、直ちに倒れてしまいます。
10~30秒程度の強直性けいれんのあと、それにひき続いて、四肢をガクッガクッとひきつける間代性けいれんに移行します。
発作が始まると、しばらく呼吸が停止し、顔面や唇が紫色(チアノーゼ)になります。両眼を見開き、眼球は上転し、歯を食いしばります。尿や便を失禁することもあります。
強直性けいれん・間代性けいれんを合わせて、けいれんそのものは1,2分間程度で終わることが多いのです。
けいれんが終わると、荒い呼吸をともなう昏睡に陥りますが、数分後には、いったん意識を回復します。
しかし、しばらくすると、再び深い眠りに陥ってしまいます。この深い眠りは、数分~数時間にわたります。
眠りから覚めると、すっかり元気を回復していますが、本人は、発作中のことはまったく記憶していません。
全身けいれんではなく、身体の一部、例えば右の腕、左の脚、あるいは右の顔面のみがけいれんするといったタイプの発作です。
数分~数十分、意識がぼんやりして、口をもぐもぐさせたり、ボタンをかけたりはずしたりするような意味のない動作をくりかえす発作です。
子供より、大人に多くみられます。
ほんの数秒間、意識がぼやけて、動作が止まる発作もあります。
大人より、子供に多くみられます。