抗てんかん薬による、眠気・ふらつき

(1)服薬開始直後

 

新しく、お薬をのみはじめた直後は、まだ体がお薬に慣れていないので、眠気・ふらつきが来ることがあります。

のみはじめ

(2)お薬を増量した直後

 

従来のんでいたお薬で、まだ発作が完全には止まらなかった時は、お薬を少し増量します。その場合、増量した分量に、からだがまだ慣れていないため、しばらくの間、眠気・ふらつきがみられることがあります。

薬を増量

(1)(2)につきましては、一時的なものですから、あまり心配する必要はありません。2週間もすれば、眠気・ふらつきもなくなるのが普通です。
ですから、勝手にお薬をやめたりしないで、とりあえず、医師にご相談ください。

(3)のんだり、のまなかったり、不規則な服薬をしている

 

不規則な服薬をしていると、発作を止める効果が不十分となるばかりでなく、体がその薬になかなか慣れません。 薬に慣れないと、眠気・ふらつきも、なかなか良くならないのです。
それに、お薬の飛ばしのみをしていると、けいれん発作の重積に陥る危険もあります(重積:一日のうちに、何度も発作が連続して起きる危険な状態)。
毎日、規則的に、お薬をのむことはとても大切です。

不規則な服薬

(4)服薬の仕方を間違えているとき

  薬袋の表面に、薬ののみ方をくわしく書いてあるのですが、それを読み間違えて、決められた量より多いお薬をのんでいると、当然ですが眠気・ふらつきがきます。薬ののみ方がわからないときは、クリニック、または調剤薬局にお問い合わせください。

(5)てんかんのお薬に酔いやすい体質のとき

お酒に例えると

(6)かぜ・下痢などで、体の調子が悪いとき

 

(1)体調が悪いと酔いやすくなるため 

 

抗てんかん薬を、お酒にたとえてみると・・・

お酒に例えると2

注)たとえ話として、お酒を持ち出しただけです。お酒をおのみくださいという意味ではありません。

 

(2)抗ヒスタミン剤(かぜ薬の一成分)等との併用のため。

(7)空腹時にお薬をのんだとき

 

血液検査の準備などで、朝食をとらないで、てんかんのお薬をのんだ場合などです。おなかの中に食べ物がないので、のんだお薬のほとんどが、すぐ吸収され、血中濃度が高くなるために、眠気やふらつきが来る人がときにいます。
このような人の場合は、次回の検査から、朝、まず、決められた量の半分をのみ、検査の後に残りの半分をのむようにしてください。ただし、これは、一部の患者さんであり、大部分の患者さんは、朝ごはん前に、決められたお薬を全量のんでも、問題ありません。

空腹でのむ

(7' )テグレトール・レキシンを、空腹時にのんだとき

 

 朝、出勤・通学前に、時間が足りなくて、牛乳1本とトースト半枚で、薬、とくに、テグレトール・レキシンを、服用した場合、1、2時間後に眠気・ふらつきがひどくなります。テグレトール・レキシンは、空腹だと、すみやかに吸収されて、血中濃度が急激に上がります。そのため、ねむけや、ふらつきがでるのです。

 これを予防するためには、朝ごはんをたっぷり食べてから薬をのむようにしましょう。そのためには、前の晩の食事の量を、あらかじめ減らしておく必要があります。

▲ページトップへ